12月 17th, 2011 by Akihiro SAITO
11月の読書メーター
読んだ本の数:5冊
読んだページ数:1860ページ
ナイス数:22ナイス
食卓の情景 (新潮文庫)
何と言うか,端から端まで,作る方も食べる方も,正しく頑固親父である.そして,それがいい.食べることに限らず,生きることに全力であればこその精神的に豊かな生活であり,万事に徹底したこだわりなのだろう.今となってはグルメガイドとして使えるものでもないのだろうが,江戸の香りに思いを馳せながらの散歩の供にしてみたいところだ.
読了日:11月30日 著者:池波 正太郎
そうだったのか! 日本現代史 (そうだったのか! シリーズ) (集英社文庫)
池上彰の現代史シリーズ日本版.シリーズ他作品から続けて読むと,取り上げられた内容の違いに,日本という国が,様々な問題を抱えながらも,いかに平和に発展してきたかを思い知らされる.その分,また,日本については書きづらい部分もあるのか,他作品に比べて淡々としている感はあったが,三池闘争の迫力は中々.
読了日:11月22日 著者:池上 彰
神様のカルテ (小学館文庫)
医療現場を中心に,どれもどこかで聞いたような,実にベタなテーマをベタかつ綺麗にまとめ上げたという印象.まあ,ベタなテーマというのは,逆に言えば普遍的な問題とも言える訳で,その意味で,繰り返し取り上げられ,読まれるのは自然なことなのかも知れない.登場人物は中々に魅力的で,あっさり読めて,程良く感傷的な気分にもさせてくれ,読後感も悪くない.なるほど,ドラマや映画の原作には最適なんだろうなと思う.学士殿旅立ちのエピソードは中々.
読了日:11月14日 著者:夏川 草介
そうだったのか! 現代史パート2 (そうだったのか! シリーズ) (集英社文庫)
池上彰によるわかりやすい現代史の続編.前著が戦後史の中心部だとすれば,本著はその周辺+続きといったところか.特に,アジアや中東の各国が取り上げられている点が注目に値する.と言っても,どのテーマもその重要性に間違いはなく,特に核兵器の仕組みや核開発競争,チェルノブイリについてなど,今だからこそ知っておくべき話題が多い.それにしても,チェルノブイリ後のソ連政府の対応と,フクシマ後の日本政府の対応,あまりに重なる点が多く,批判とかではなく,こうなってしまうものなのだなという印象だ.
読了日:11月11日 著者:池上 彰
グレート・ギャッツビー (光文社古典新訳文庫)
アメリカ文学屈指の名作とも言われる一冊.確かにこの作品はアメリカだ.一見アメリカンドリームの体現者であるギャッツビー,絵に描いたようなジョックであるトム,その妻で上流の世界しか知らないデイジー.アメリカンドリームは未来にしかなく,過去を求めることは悲劇にしか繋がらないということなのだろうか.ギャッツビーの強かでありながら,純粋で不器用,そうであるが故に時として滑稽な成り上がり者になってしまっている点も却って魅力的.村上春樹訳はかなり雰囲気が違うようなので,そちらも読んでみたい.巻末の解説がわかりやすい.
読了日:11月08日 著者:F.スコット フィッツジェラルド
2011年11月の読書メーターまとめ詳細
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11月 2nd, 2011 by Akihiro SAITO
10月の読書メーター
読んだ本の数:5冊
読んだページ数:1692ページ
ナイス数:6ナイス
バーにかかってきた電話 (ハヤカワ文庫JA)
大泉洋主演の映画,「探偵はBarにいる」の原作.チャンドラーの香りを感じさせつつも,軽妙さ,滑稽さがスパイスとして効いた良質の和風ハードボイルドといった印象.アクションのイメージは黒澤なのだろうか?ストーリーに関しては,最初に映画を見たもので特別に印象はないが,小説の形で読むと,沙織の登場が若干唐突で,もう少し早い段階で出てきて物語に絡んでいても良かったのではないかという点と,最後が主人公の手を離れて進み過ぎてしまっている印象なのが少々残念だ.
読了日:10月31日 著者:東 直己
むかしの味 (新潮文庫)
池波正太郎お得意の「食」エッセイ.タイトルの「むかしの味」は,師匠である長谷川伸が料理を褒めるときに使った言葉である.その言葉通り,昔ながらのこだわりを持った良店を紹介している訳だが,その食べ物,それを取り巻くエピソードは流石.単純な美味の追及に留まらず,よい店とはどういうものなのか,料理に向かう姿勢など丁寧に描いている.無論,料理の描写も素晴らしく,紹介されている店,どれも一度は行ってみたくなるものばかりだ.
読了日:10月29日 著者:池波 正太郎
江戸の味を食べたくなって (新潮文庫)
「江戸の味」とタイトルに入ってはいるが,江戸の味について語っているのは最初の半分くらいか.あとは「男の作法」的な話とフランス旅行記.それはそれで面白いが,若干肩すかしにあった気分は否めない.そういった多少の不満はあるものの,第一部,味の歳時記は文句なしだ.この味覚と季節感との完璧とも言える結合,食べ物だけじゃなく,食べ物を取り巻く情景,空気まで伝わってきそうだ.
読了日:10月27日 著者:池波 正太郎
男の作法 (新潮文庫)
大正生まれの著者が,30年前の若者に向けて「最近の若者は」と言っている訳で,書かれていることのすべてがすべて今に通用するかと言われると,そうではない.ただ,その考え抜かれたこだわり,姿勢そのものは,今でも十分に通用するものだと思う.食べ物にしても服装にしても「○○するのが通だから」そうするのではない.何故そうであるのか,きちんと説明できてこそのこだわりなのだ.その意味で言えば,本書に書かれている作法を守らなければならないのではない.たとえ違っていたとしても,その人なりの合理性があってこその作法なのだろう.
読了日:10月26日 著者:池波 正太郎
ロング・グッドバイ (ハヤカワ・ミステリ文庫 チ 1-11)
「ギムレットには早すぎる」,「さよならを言うのは,少しだけ死ぬことだ」などの名台詞で知られるハードボイルドの金字塔の,村上春樹による新訳.ちなみにこの名台詞,後者はチャンドラーのオリジナルではないのだそうで.大仰な台詞回しもクールでタフを絵に描いたような造形も,嫌味に感じる人には全く受け容れられないだろうし,好きな人はとことん好きになるだろう.そういう意味で,これぞハードボイルドとしか言いようがない.ちなみに私は好きな方.計算されたストーリーも悪くはないが,やはり雰囲気を楽しむのが大事な小説だろう.
読了日:10月22日 著者:レイモンド・チャンドラー
2011年10月の読書メーターまとめ詳細
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9月 28th, 2011 by Akihiro SAITO
8月の読書メーター
読んだ本の数:4冊
読んだページ数:1487ページ
ナイス数:9ナイス
血涙(下) (PHP文庫)
役割を終えた者同士の,自らを滅ぼすための戦いとでも言うべきだろうか.どう足掻いても悲劇にしかなり得ない戦いの中であればこそ,その生き様,死に様は鮮烈で,最早,戦いに意味や目的を求めることすら無粋に思える程だ.また,生き残った女同士の語りが一層滅びの美しさを引き立てている.「いいえ.草原で死んだ男たちに,それでは失礼というものですよ」
読了日:08月25日 著者:北方 謙三
血涙(上) (PHP文庫)
ついに吹毛剣登場,の楊家将続編.楊家将本編を通して主要登場人物がしっかり描写されていただけに,本編以上に登場人物の個性が際立ち,面白さも増しているように思う.
読了日:08月23日 著者:北方 謙三
楊家将〈下〉 (PHP文庫)
上下巻ということで,下巻で一気に話が展開.やはり,死に様の格好良さ,その描写は圧倒的だ.ただ残念なのは,上下巻の短い話では,それなりに人数のいる人物の描写が不十分になってしまっている点だ.楊家の兄弟でも,何人かはどんな人物なのかすらよくわからなかった.楊業本人すら不十分に感じる程だ.敵役の耶律休哥の方が寧ろ丁寧に描かれていただろう.勿論何人かは丁寧に描写されているが,それは寧ろ,続編の血涙のためとも見える.そういう意味では,タイトル上はここで一旦完結だが,ここまでしか読んでない段階で評価を下すのは早計か.
読了日:08月15日 著者:北方 謙三
楊家将〈上〉 (PHP文庫)
北方謙三の歴史物と言うことで,相変わらず男が生き様,死に様の格好良さを競い合う話といった感じ.上巻は,まだ話が大きく動かず,それぞれの登場人物を描写がメインと言えるだろう.ここで徹底的に魅力的に描写し,死に様で輝かせるのが北方謙三な訳で.
読了日:08月15日 著者:北方 謙三
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8月 25th, 2011 by Akihiro SAITO
7月の読書メーター
読んだ本の数:3冊
読んだページ数:942ページ
ナイス数:5ナイス
服従の心理
心理学を少しでも囓ったことのある人なら一度は聞いたことがあるであろう,ミルグラムの服従実験,通称アイヒマン実験をまとめた名著の2008年新訳版.その場における権威となるべき人物に命じられたなら,人は簡単に自らの思想信条を捨て,忠実なエージェントと化してしまうという結果そのものについては語り尽くされた感があるが,それだけが本書ではない.その結論に至るまでにミルグラムが積み上げた様々な条件による詳細な実験こそ本書の,著者の真骨頂ではないだろうか.新訳版訳者による本実験に対する批判も,短いながら興味深く必読.
読了日:07月28日 著者:スタンレー ミルグラム
そうだったのか! 現代史 (そうだったのか! シリーズ) (集英社文庫)
冷戦から湾岸戦争,ユーゴ紛争に至るまで,戦後史の入門ド真ん中という感じの一冊.著者が著者なだけに,子どもから大人まで誰でも気軽に読み進められる読みやすさ,わかりやすさが魅力か.これから現代史を学びたいという人は,この本をスタートに個々の話題を深めていけば良いだろうし,ある程度色々な本を読んでいる人にも,知識の穴埋めだったり,思想面での口直しというか,リセットというか,そういう使い方が出来るだろうという意味で,正しく入門書であり良書.
読了日:07月26日 著者:池上 彰
NFLの(非)常識―なぜフィールド上で円陣ハドルを組んだのか
長年NFLの魅力を紹介し続けた後藤完夫さんによるフットボール愛に溢れた1冊.雑誌のショートコラムをまとめたような体裁で,NFLに関する豆知識が綴られている.実際に使われたプレイコールの紹介などは中々知る機会もないもので興味深い.それ以上に凄いのが巻頭と帯の推薦文で,それぞれロジャー・グッデル(NFLコミッショナー)と鳩山由紀夫.特に鳩山さんなど,総理在任中か退任直後くらいだろう.流石ゴトサダさんといったところか.発行元がTouchdownということで,誤植やらレイアウトがおかしいやらは最早お約束.
読了日:07月09日 著者:後藤 完夫
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