2010年10月の読書メーター

10月の読書メーター
読んだ本の数:4冊
読んだページ数:886ページ

エミリ・ディキンスン家のネズミエミリ・ディキンスン家のネズミ
19世紀の詩人,エミリ・ディキンスンの詩に,その家に住むネズミとの交流というバックグラウンドを加えた短編.彼女の詩の中に,ネズミや虫など,小動物の立場に立っていると思われるものが多数存在していることに着想を得たようだ.だが,残念ながら,肝心の詩については,その良さがあまり理解できなかった.原文で読んでみれば,言葉の美しさなども理解得きるのかも知れない.機会があったら読んでみたいところだ.
読了日:10月27日 著者:エリザベス・スパイアーズ
今日は死ぬのにもってこいの日今日は死ぬのにもってこいの日
ニュー・メキシコ州のネイティブ・アメリカンの古老から聞いた言葉を詩の形でまとめたもの.彼らの死生観,文明観などが中心と言えるか.特に「冬」と「死」と置き,季節の巡りと生死を重ねた円環的な死生観などは,東洋のそれと結構近いように感じられる.精霊信仰も然り.ただ,文明観については,西洋文明の単純な拒絶に留まっていて,そこだけは,響くものもなかった.我々は,彼らになりたい訳ではなくて,彼らから学んだことを文明社会に活かしたいのだから.無論,彼らはそんなことのために言葉を紡いでいる訳ではなく,お門違いなんだが.
読了日:10月26日 著者:ナンシー ウッド,フランク ハウエル
夏への扉 (ハヤカワ文庫 SF (345))夏への扉 (ハヤカワ文庫 SF (345))
SFの歴史的名作として知られる一冊.確かにタイムトラベルにコールドスリープを組み合わせて行ったり来たりするあたりはSFと言えるんだけど,でも,この本の面白さは,そのSF的な要素というよりは,SFという味付けを利用した,冒険小説っぽい部分なんじゃないかなという気がする.そう感じるのは,この50年,この本で用いられたSF的なアイディアが繰り返し用いられ,見飽きたものになってしまったためなのかも知れないけど.ちょっとご都合だなぁと感じるところも古典的名作としては良し.
読了日:10月05日 著者:ロバート・A・ハインライン
〈私〉の存在の比類なさ (講談社学術文庫)〈私〉の存在の比類なさ (講談社学術文庫)
今現に存在している多数の人間の中で,一人だけが私という特別なあり方をしている,このことが意味するのは,世界は私と他者たちとによって成り立っているのであって,このとき,他者は飽くまでも私の世界の登場人物に過ぎない.一方で,こういった問題を,他者である永井均から提起され,それを私が理解しうるということは,私の世界の中で登場人物に過ぎない永井均が私と同じように世界を認識する他の私であることになる.これは本質的な矛盾だ.この気持ち悪さをいかに捉えるか.読むのにはかなり時間がかかったが,じっくり読み返したい本だった
読了日:10月02日 著者:永井 均

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