2010年12月の読書メーター

12月の読書メーター
読んだ本の数:2冊
読んだページ数:530ページ

出口のない海 (講談社文庫)出口のない海 (講談社文庫)
市川海老蔵主演,佐々部清監督で映画化もされた一冊.映画自体は詰め込みすぎの消化不良感があったが(ただし,主題歌の”返信”は必聴),こちらはよくまとまっていて,個々の人物描写もしっかりしていたと思う.回天の操縦など,描写も実に丁寧.戦争小説というよりは,いかに生き,死ぬのかをテーマとした青春小説の側面が強いか.主人公を魅力的に描写し,所謂泣きのツボを上手く押さえつつも,死に様で戦争を美化するような形にはしなかったところがまたよい.ここらへんは,黒木博司(回転発案者の一人)の逸話などが背景にあると想像される.
読了日:12月26日 著者:横山 秀夫
私の個人主義 (講談社学術文庫 271)私の個人主義 (講談社学術文庫 271)
夏目漱石晩年の5つの講演をまとめたもの.やはり,標題の「私の個人主義」が白眉か.この時代において,個人主義を述べたのは勿論のこと,「国家的道徳というものは個人的道徳に比べると,ずっと段の低いもののように見える」と述べた硬骨は流石.個人的には,博士や大学教員というものへの皮肉が興味深い.博士とは何でも知っている者なのではなく,寧ろろ極端にアンバランスになった者なのだという意見はそういった類の人間として,とても納得できる.
読了日:12月08日 著者:夏目 漱石

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