2011年6月の読書メーター

6月の読書メーター
読んだ本の数:6冊
読んだページ数:1741ページ

最悪の事故が起こるまで人は何をしていたのか最悪の事故が起こるまで人は何をしていたのか
豊富な事例をベースにした失敗学の入門書とも言える一冊.特に複雑さを増し,失敗が与える影響が大きくなった現代のシステムにおいて,どのような条件が重なったときに致命的な失敗が起こるのか,どのような対応を取ったときに危機的な状況から逃れられたのかが記されている.単独の失敗が上手くいっているシステム全体を破綻させることはまずなく,複数の失敗,極めて稀と思われている条件の重なり合いがあって初めてシステムの破綻は表面に現れるが,破綻の条件がある以上,長期的に見れば必ず起こるつもりでいるべきだということなのだろう.
読了日:06月29日 著者:ジェームズ R・チャイルズ
選手の心を動かす監督の言葉選手の心を動かす監督の言葉
小宮山悟,清宮克幸という,早稲田大学の同級生にして,世代を代表するアスリート同士の対談.ただ,対談だからこそという話はあまりなく,基本的にこれまでの著書等で読んだ話で終わってしまった感があるのが残念なところ.もっと,ざっくばらんに突っ込んだ話を聞かせて貰いたかった.
読了日:06月20日 著者:清宮 克幸,小宮山 悟
指導者の条件指導者の条件
松下幸之助自身の指導者としての心得を,主に日本,中国の故事を引用しつつ1テーマ2ページまとめたもの.「指導者の条件」と題してはいるが,指導者に限らず,一般的な人生訓として通じるものだろう.なんと言うか,短い訓示をいくつも聞かされている感じか.必ず故事を引用して説明しているのは,話のタネにもってこいだし,説得力もあるのだが,心得そのものはごく当たり前で,また,「~であらねばならない」は語られているが,「そうあるためにはどうすればいいのか」がないのが画竜点睛を欠く印象だ.そのため,なるほどなで終わってしまう.
読了日:06月20日 著者:松下 幸之助
野球と戦争 (中公新書)野球と戦争 (中公新書)
元巨人軍球団代表による戦中戦後の野球史.興味深いエピソードも多く,読み易くまとまった良書.戦前の野球がいかに異常な状態であったか,戦前~戦中の野球弾圧の一環として語られることの多い野球統制令が,実際の運用はともかく,制定時点では球界の健全化に寄与すべく定められたものだということもよくわかる.個人的に面白いなと思ったのは,甲子園も六大学も中止になった後でも,軍では野球が行われていたこと,関東大震災時の大杉栄殺害で知られる甘粕正彦が満州に球場を作って野球大会を開催していたことあたりか.
読了日:06月19日 著者:山室 寛之
虹の女神―Rainbow Song (幻冬舎文庫)虹の女神―Rainbow Song (幻冬舎文庫)
市原隼人,上野樹里主演で2006年に公開された映画の原作,約5年振りの再読.どこにでもありそうな自意識過剰な若者の話と片付けてしまえば確かに簡単だ.だが,主人公が,どこにでもいそうなつまらない人間であればある程,ある意味における共感が増すのも事実で,正しく等身大の登場人物であり,人物描写と言えるのかも知れない.また,読後感も悪くなく,2~3時間で気軽に読める中編.
読了日:06月19日 著者:桜井 亜美
季節の記憶 (中公文庫)季節の記憶 (中公文庫)
父子家庭の親子と隣人兄妹を中心とした鎌倉での日常を淡々と描写している.どういうストーリーですと説明できるほどのストーリーはない,純粋な日常描写に徹している.中高の後輩としての立場で言うならば,何というか栄光の図書館で繰り広げられてそうな会話という感じか.元々がそういう特殊なものだし,さらに言うと,はっきり言ってしまえばある種の傲慢さがあるから,受け容れられない人には全く受け容れられないんだろうなと思う.ちなみに,文庫版の解説は養老孟司だけど,この人はこの人で,鎌倉出身の栄光OB.
読了日:06月18日 著者:保坂 和志

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