2011年10月の読書メーター

10月の読書メーター
読んだ本の数:5冊
読んだページ数:1692ページ
ナイス数:6ナイス

バーにかかってきた電話 (ハヤカワ文庫JA)バーにかかってきた電話 (ハヤカワ文庫JA)
大泉洋主演の映画,「探偵はBarにいる」の原作.チャンドラーの香りを感じさせつつも,軽妙さ,滑稽さがスパイスとして効いた良質の和風ハードボイルドといった印象.アクションのイメージは黒澤なのだろうか?ストーリーに関しては,最初に映画を見たもので特別に印象はないが,小説の形で読むと,沙織の登場が若干唐突で,もう少し早い段階で出てきて物語に絡んでいても良かったのではないかという点と,最後が主人公の手を離れて進み過ぎてしまっている印象なのが少々残念だ.
読了日:10月31日 著者:東 直己
むかしの味 (新潮文庫)むかしの味 (新潮文庫)
池波正太郎お得意の「食」エッセイ.タイトルの「むかしの味」は,師匠である長谷川伸が料理を褒めるときに使った言葉である.その言葉通り,昔ながらのこだわりを持った良店を紹介している訳だが,その食べ物,それを取り巻くエピソードは流石.単純な美味の追及に留まらず,よい店とはどういうものなのか,料理に向かう姿勢など丁寧に描いている.無論,料理の描写も素晴らしく,紹介されている店,どれも一度は行ってみたくなるものばかりだ.
読了日:10月29日 著者:池波 正太郎
江戸の味を食べたくなって (新潮文庫)江戸の味を食べたくなって (新潮文庫)
「江戸の味」とタイトルに入ってはいるが,江戸の味について語っているのは最初の半分くらいか.あとは「男の作法」的な話とフランス旅行記.それはそれで面白いが,若干肩すかしにあった気分は否めない.そういった多少の不満はあるものの,第一部,味の歳時記は文句なしだ.この味覚と季節感との完璧とも言える結合,食べ物だけじゃなく,食べ物を取り巻く情景,空気まで伝わってきそうだ.
読了日:10月27日 著者:池波 正太郎
男の作法 (新潮文庫)男の作法 (新潮文庫)
大正生まれの著者が,30年前の若者に向けて「最近の若者は」と言っている訳で,書かれていることのすべてがすべて今に通用するかと言われると,そうではない.ただ,その考え抜かれたこだわり,姿勢そのものは,今でも十分に通用するものだと思う.食べ物にしても服装にしても「○○するのが通だから」そうするのではない.何故そうであるのか,きちんと説明できてこそのこだわりなのだ.その意味で言えば,本書に書かれている作法を守らなければならないのではない.たとえ違っていたとしても,その人なりの合理性があってこその作法なのだろう.
読了日:10月26日 著者:池波 正太郎
ロング・グッドバイ (ハヤカワ・ミステリ文庫 チ 1-11)ロング・グッドバイ (ハヤカワ・ミステリ文庫 チ 1-11)
「ギムレットには早すぎる」,「さよならを言うのは,少しだけ死ぬことだ」などの名台詞で知られるハードボイルドの金字塔の,村上春樹による新訳.ちなみにこの名台詞,後者はチャンドラーのオリジナルではないのだそうで.大仰な台詞回しもクールでタフを絵に描いたような造形も,嫌味に感じる人には全く受け容れられないだろうし,好きな人はとことん好きになるだろう.そういう意味で,これぞハードボイルドとしか言いようがない.ちなみに私は好きな方.計算されたストーリーも悪くはないが,やはり雰囲気を楽しむのが大事な小説だろう.
読了日:10月22日 著者:レイモンド・チャンドラー

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