2011年12月の読書メーター

12月の読書メーター
読んだ本の数:8冊
読んだページ数:2537ページ
ナイス数:21ナイス

赤頭巾ちゃん気をつけて (中公文庫)赤頭巾ちゃん気をつけて (中公文庫)
東大入試が中止になった年の日比谷高校の学生を主人公とした,あるついていない一日のちょっとした出来事と重ねた思索.実に正しくエリートによる青春文学だ.自分はそういった典型的なエリートではない,何か違うんだ.という若干自意識過剰な悩み方がまた,正しくエリートなのである.日比谷高校に対する論評にしてもそうだ.そのため,好き嫌いは分かれそうな気がする.ただ,そのついていない一日の中で見つけた世界の素晴らしさ,自分のあり方,そういったものは,思索を重ねた結果として平凡なところに落ち着いただけに,却って好感が持てる.
読了日:12月29日 著者:庄司 薫
ステップファザー・ステップ (講談社文庫)ステップファザー・ステップ (講談社文庫)
荒川弘がイラスト書いてる宮部みゆきの作品があるよというよくわからない薦められ方で読んでみた.宮部みゆきの作品読むのは初めて.所謂ミステリ,と思って読むと肩すかしで,物語のテンポの良さと,軽妙な語り口を楽しむべき作品だろう.あとがきを見ると長編という構想もある(あった?)ようだが,この設定は短編でこそ活きるように思う.この作品は,この形でこそ面白い.関係ないが,ヘルター・スケルターってどっかで聞いたなと思ったら,ビートルズの曲だったか.
読了日:12月28日 著者:宮部 みゆき
そうざい料理帖 二 (平凡社ライブラリー)そうざい料理帖 二 (平凡社ライブラリー)
著者のエッセイを食に絞ってまとめ,登場する料理の作り方を追加している.その意味では,巻一と大体同じであり,巻一が面白かったので期待して読んだが,こちらは若干テーマから離れたものも多く,内容が薄くなってしまっていた.これだったら,巻二の後半の対談などはカットして,内容も整理した上で巻一と合わせて一冊にしておいた方が良かったのではないかと思う.やはり,池波正太郎のエッセイ集は,生前のものの方が内容的に安定しているようだ.
読了日:12月28日 著者:池波正太郎
そうざい料理帖 巻一 (平凡社ライブラリー)そうざい料理帖 巻一 (平凡社ライブラリー)
著者の食に関するエッセイをまとめ直し,そこに出てくる料理の解説を行っている.没後に出版されたエッセイ集は,どうもまとまりがなくて残念なものが多かったが,この本はコンセプトがはっきりしていて実に読み易く面白い.エッセイそのものは読んだことあるものばかりだったが,それでも退屈しないのは構成の妙か.
読了日:12月27日 著者:池波正太郎
池波正太郎の銀座日記(全) (新潮文庫)池波正太郎の銀座日記(全) (新潮文庫)
著者の晩年8年間の日記.最後までその舌鋒の鋭さが変わらないのは流石である半面,通して読むと徐々に衰えているのがはっきりとわかり何とも言えない.主なテーマは食べること,映画を観ること,そして死ぬことといったところか.特に,訃報についてよく取り上げているのが目に付いた.エッセイにおいてもそうだが,著者にとって,「死」が人生の大きなテーマであったことを伺わせる.それにしても,今の日本は,このような「頑固親父」が生きていくには難しい世の中なのだろうなと考えてしまう.
読了日:12月21日 著者:池波 正太郎
わが家の夕めし (講談社文庫)わが家の夕めし (講談社文庫)
かなりごった煮的な池波正太郎のエッセイ集.食の話題が中心となっていることを期待して読むと肩すかしか.テーマとして,もう少しまとまりがあれば読み易い印象で残念.ファンには貴重な未収録小品集といったところなのだろうか.
読了日:12月18日 著者:池波 正太郎
食べ物日記―鬼平誕生のころ (文春文庫)食べ物日記―鬼平誕生のころ (文春文庫)
池波正太郎でもインスタントやきそばなど食べることがあったんだなぁ.そういう面白さが見られるのは事実だが,逆に言えばその程度のものだった.それ以外に掲載されたエッセイは他の著書からの転載だし,関係者による対談にしても,「池波正太郎」で「食べ物」というタイトルの本に期待されているものではなかったように思う.鬼平ファンには巻末の鬼平四十年史は価値があるかも.
読了日:12月17日 著者:池波 正太郎
さよなら、愛しい人 (ハヤカワ・ミステリ文庫)さよなら、愛しい人 (ハヤカワ・ミステリ文庫)
名作ハードボイルドの村上春樹訳第二弾.解説にもあるように,マーロウもまだ若かったということか,より派手に暴れ,より痛い目に遭っている.その分セリフ回しやマーロウ自身の格好良さは届かないかも知れないが,ストーリーの練られ方はロング・グッドバイ以上かも知れない.微妙にわかりづらいところも多いが,最後の最後での伏線の繋げ方は見事.個人的には,さよなら、愛しい「人」と改題したセンスがいいと思う(原題は”Farewell My Lovely”なので,若干曲解になるかも知れないが).それでこそ最後の味わいが深まる.
読了日:12月10日 著者:レイモンド チャンドラー

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