Archive for 10月, 2007

モンティ・ホール問題

データ解析の授業も4回目となり,今回は順列・組み合わせと確率論の基礎を話した上で,確率分布について触れ,2項分布の説明までやりました.今回は,前回よりさらに難しいというのはわかっていたので,学生引くだろうなぁと思っていたら,やっぱりでした.
確率論の堅い話ばかりじゃつまらないかなということで,条件付確率を使ったちょっとしたお遊びで,モンティ・ホール問題を出してみました.でもって,条件付確率を使った説明と言葉での説明,両方を試みてみたのですが,これが大失敗.余計に学生をパニックに陥らせてしまったようです.そもそも,条件付確率という考え方に馴染んでない学生にモンティ・ホール問題は無茶だったかなぁ…….
モンティ・ホール問題:
あるバラエティ番組で,司会者は回答者に次の問題を出します.
「ここに,ABC3つの箱があります.この中の1つが正解で,残りは外れです.この中から一つを選んでください」
ここで,司会者は正解がどれだかを知っています.そして,回答者が一つを選択した時点で司会者はこう言います.
「実は,こちらの箱は外れです.さて,ここであなたにチャンスをあげます.あなたはもう1回箱を選びなおす事ができます.残ったほうに変えますか?それとも,そのままにしますか?」
このとき,回答を変えるのと変えないの,どちらが正解する確率が高いのかというのが,モンティ・ホール問題です.これは,ベイズの定理を使うと簡単に求められます.と言ってもベイズの定理は教えていないので,ベイズの定理を使わずに(でも,結果的にベイズの定理の形にはなっているんですが)回答例は作成しました.
仮に選択した箱をAとし,司会者が開いた箱をBとします.個々の箱が正解である確率をP(A),司会者が箱Bをあける確率をP(b)と置きます.すると,
P(A)=P(B)=P(C)=1/3
P(b|A)=1/2 (Aが正解なら,B,Cどちらの箱を選んでもいいので)
  P(b∩A)=P(b|A)P(A)=(1/3)(1/2)=1/6
P(b|B)=0 (Bが正解ならBの箱は絶対に開けられないので)
  P(b∩B)=P(b|B)P(B)=0
P(b|C)=1 (Cが正解で回答者がAを選択しているなら,Bを開けざるをえないので)
  P(b∩C)=P(b|C)P(C)=1/3
ここで,A,B,Cは排反事象かつA∪B∪C=Ωなので
P(b∩A)+P(b∩B)+P(b∩C)=P(b)=1/2
よって,
P(A|b)=P(b∩A)/p(b)=1/3
P(B|b)=P(b∩B)/p(b)=0
P(C|b)=P(b∩C)/p(b)=2/3
となり,C,つまり変更したほうが確率が高いとなります.
この問題のキモは,Aが正解のとき,Bをあける確率は1/2なのに対して,Cが正解のときは,100%Bを開けざるを得ないというところです.ここらへんと,ベイズの定理の考え方がわかっていれば感覚的にも簡単に理解できるんですけどね…….言葉での説明も色々と考えてみたんですが,やっぱり中々難しかったようです.
感覚的に理解するのならば,選択したAが正しい確率が1/3,残り2つのうちいずれかである確率が2/3というところを利用して,正解を知っている人がはずれとわかっているものを開けたとしても,残り2つで正解率2/3である点は変わらないって考え方が楽なんでしょうが,司会者が1個開けて選択をしなおす時点で,それぞれ(AとC)の正解率が五分五分にリセットされると考えてしまう人が多いようです.
そもそも,Aを選択したという情報が与えられた上でBを開けているのであって,Bを開けるという行動は,Cが正解のときの方がより起こりやすいということを理解できれば良いわけなんですが,言葉で上手く言うのは難しいです…….
また,先週出した宿題のうちの一つに,どれか好きな国のGDP成長率を5年以上調べ,それに相応しい代表値を求めよという問題がありました.正解は幾何平均なんですが,問題に一つ罠がしかけてありまして,たとえば5%成長だったら,1.05として計算しなければいけないのです.ここで1.05とかできていれば幾何平均を正しく理解できていると見なそうと考えたのですが,残念ながら正解者ゼロの様子です.マイナス成長の年があると,このことに気付く人もいたのかもしれませんが,ちょっと厳しかったですかね.

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授業優先?

金曜が1週間の中で一番厄介という話は何度か書いているんですが,今週はその金曜日に科研の提出期限も被っています.
そんな訳で,木曜日を科研の申請書書きに集中する日とするため,水曜日中に授業準備を終わらせると気合入れてやってみた結果,この時間になってしまいました.明日は午前中から,論文コピーとか考えていたのに……嶺

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話が進まない

学祭のイベントに参加してくれとかそういう話で学生が研究室に来たのですが,私が対応したところ,先生はご不在ですか?とのリアクション.流石にそう言われるのは初めてだよ(苦笑).
それはそうとして,今日は1,3,4限と1週間で一番ハードな日です.データ解析の授業は,1回目はオリエンテーションだったのはいいとして,2回目は要約統計量まで話そうと思っていたらヒストグラムで終わってしまい,3回目の今日は,先週の残りだった筈の要約統計量の話だけで時間切れになりかけ,慌てて散布図と相関の話をねじ込むという状況でした.こんな展開で学期末までにどこまで進むんだろうかとかなり不安です.どこらへんで話を妥協するか,難しいなぁと感じます.
おまけに,無理矢理詰め込んだせいで学生からは話が速いとのクレーム.私の話は長くなるのだから,もうちょい内容削ってわかりやすくしなきゃダメなんでしょうが…….

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そんなんじゃ出し抜けない

データ解析の授業では,原則毎週宿題を出すということになっています.この前の金曜日が2回目の授業でしたので,現在手元には1回目の宿題があり,それを1枚1枚チェックしている状況です(Wordのファイルで提出させてるので,1ファイル,1ファイルですが……).
私は,学生というのは教員を出し抜いて手抜きをするものだと思っていますので,私が出し抜かれるほど巧妙に手抜きをするならまあ許してやろうくらいに思っているのですが,手の抜き方があまりに稚拙で,何か甘く見られている気がして,そっちの方に腹が立ちます.何か違うな(^^;.
この前提出してきた宿題は,ネットや本などから調査結果を調べ,それを要約して説明し,論評せよというようなものだったのですが,調査結果をそのままcopy&pasteしたものがあまりに多過ぎるのです.前の話に従えば,copy&pasteする際に,そうだとバレないように巧妙にぼかしてくれればまあ許せる訳なのですが,そういった配慮が全くない人が結構います.
一番酷いのが,copy&pasteした部分だけフォントが違ってる学生です.そりゃ手抜きしすぎだろう…….その他にも,官庁統計の資料の,。をそのまま写したため,途中で句読点の使い方が変わって一発でバレたり,htmlにありがちな,Wordでは不自然な空白がそのまま残っていたり,調査者の報告文をそのまま写したために自分が調査したかのような文章になっている場合など,私を出し抜くには程遠い学生ばかりでがっかりです.
次回,いくつか使ってつるし上げてみようかなぁ(笑).

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TeXlipse + pdvidfmx + landscape

以前のエントリでも書きました通り,最近TeXでの文章編集にはTeXlipseを利用している訳なんですが,いくつか面倒な部分もあります.そのうちの一つがPDFをdvipdfmxで作ろうとする場合の問題点です.dvipdfmxを実行する際に,そのdviファイルがlandscapeか否かによって,いちいちbuilder settingsに入ってオプションで-lを入れるか否かを変更してやらなければならないのです.プロジェクトごとにコマンドに追加するオプションを設定できれば楽なんですが.
……と思い込んでいたのですが,今日になって解決法を見つけました.
プリアンブルの中に,
\special{landscape}
と入れてやるだけでOKだったのです.何と簡単な.常識なのかも知れませんが,landscapeのPDF作成ではコマンドにオプションが必要と決めてかかってしまっていて盲点でした.
結構TeXは長く使っているつもりで,それなりにわかっていたつもりだったのですが,わかってない大事なことなんてまだいくらでもあるものです.

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