Archive for 1月, 2010

成功への情熱/稲盛和夫

会社更生法の適用を申請,受理されたことでまた日本航空がニュースに取り上げられている.この会社のCEOに先日就任したのが,京セラやKDDIの創業者として知られる稲盛和夫氏,この本の著者である.

本書は京セラがアメリカAVX社を買収した時に,現地経営者の教育に使われた資料が元になっている.そのため,個々の内容はコンパクトにまとめられて読み易く,また,氏の経営哲学から,内容は経営に限定されたものではなく,より広範な人生訓が中心となっている.

特に印象的だったのは,「お客様の尊敬を得る」という一節.要するに,いいものを安く,正確な納期で提供することが出来れば信用が得られる.それは勿論大事だが,最も大事なのは,高い道徳観,人徳を身につけ尊敬を得ることである.そうすれば,単なる商売相手という関係を越え,たとえば意見を交換出来る相手となることが出来る.そうなることがさらなる成功へと繋がるという話だ.

全体を一言でまとめるのであれば,「人として正しい事を行うのが正しい経営」ということになるだろうか,この点は,氏が「アメーバ経営」を提唱しているという事実とあわせて考えると興味深い.即ち,人間が実際には無数の生命によって構成されているのと同様に,会社も無数の生命,あるいはそれに類するものによって構成されている.その点において人がどう生きるべきかと会社がどう経営されるべきかは本質的に等しい.恐らくはそういうことなのだろう.このあたりは,手塚治虫の火の鳥,宇宙生命(コスモゾーン)などを思い出すところなのだか,どうだろうか.

2010/01/18読了

成功への情熱

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