Archive for 2月, 2011

「データ解析」期末試験と宿題のコメントについて

データ解析の期末試験並びに最終回の宿題の採点が終わりました(無論,宿題の再提出は月曜日まで受け付けています).今年は,例年に比べて受講者が少なかった代わりに平均点も高く,皆さん基礎がしっかりしている印象でした.期末試験は220点満点で作ってあったのですが,平均点が140点,点数の範囲は78点~186点となりました.100点満点換算だと,平均64点,得点の範囲は35点から85点となります.例年だったら平均点は100点満点換算50点程度ですので,正答率の高さがわかります.

さて,今日提出して貰った宿題で貰ったコメントについては授業時間中に回答できませんでしたので,こちらで回答しておこうと思います.

  • 分析ツールの使用などの作業は覚えてきたが、専門的な考え方や論拠などがまだまだ覚えられていないと感じた。
    • 統計にしても,数学にしても,私は言語として捉えています.つまり,その数字であったり,計算式であったりが何を言っているものなのか,それこそが本質という訳です.なので,覚えようというよりは,言いたいことをわかってやろうという気持ちの方が良いんじゃないかなと,個人的には思っています.
  • 切片がマイナスになってしまった。Xとyの選択は間違っていないと思うのだが、予測値もマイナスになった。考えたが、何故だか分からない。
  • 重回帰分析の価格の予測値がマイナスになってしまいました。これでもいいのでしょうか?
  • 縦の長さ10cmではちゃんとした価格が出なかった
    • 「宿題」としては,あってます.ですが,回帰分析としては問題ありです.これは,回帰分析における外挿に関わる問題として知られています.予測値がマイナスになってしまった皆さんは,作ったデータの中に,縦の長さが10センチ以下の本がなかったと思います(まあ,縦の長さが10cm以下の本というのはそうそうありませんので,そういう意味ではちょっと意地悪な問題ではありました).つまり,たとえば,15cm~25cmの本を利用して推定した回帰係数で,10cmというデータの範囲外の場合を予測した訳です.これを,外挿と言います.回帰分析は,飽くまでもデータの範囲,ここでで言えば15~25cmの本について用いるのが基本で,その範囲の外のデータに当てはめる場合には,問題が発生することが多々あるのです.
  • 元のデータのばらつきが大きいときは、あてにならなさそうだと思った。
    • 上で説明したとおりで,外挿の問題を考えると寧ろ逆で,予測変数はある程度ばらついてくれていた方が安定するのです.
  • どちらが適切か判断するのが難しかったです。
    • 回帰分析の変数選択の問題というのは,簡単に説明しましたが,実はとても奥深いものです.授業で説明した決定係数に関わるもの以外にも,様々な手法があります.実際に回帰分析を行う機会があったら,是非勉強してみてください.
  • 後半の分散分析と重回帰分析があまり理解できなかった。この部分をより重点的に教えてほしかった。
    • 私も本当はもうちょっと説明したかったのです.今日もちょっとお話ししたとおりで,たとえば私が大学2年生の時に受けた基礎統計の授業では,半年丸々使って分散分析と回帰分析の話だけをしました.それくらい,分散分析と回帰分析は色々な話題がある手法です.ですが,この授業は半年で,Excelの基礎や平均値といった話から,回帰分析にまで到達しなくてはいけないという縛りがあり,残念ながら駆け足になってしまいました.興味があるようでしたら,是非より専門的に勉強してみてください.
  • あるなんらかの値により別の値が予測されるところが面白かったと思う。これを活用してなんらかの関連があるものを調べてみてみたいと思った。
    • 回帰分析は,とても幅広く利用されている手法です.是非,頭の片隅にでも,こんな手法があったと言うことを置いておいて貰って,今後役立てて貰えれば幸いです.
  • 期末テストは不安だけど、頑張ります!!この授業を通して、エクセルの使い方(データ分析のツールなど)ができるようになったのが大きな収穫でした。
    • Excelは,今後も様々な場面で使うと思いますので,是非習熟して貰えればと思います.
  • 試験、がんばります。
  • データを出しても、それを分析するのは難しいです><
  • 難しかったです。テストがんばります。
  • なんとなくやってるという感じなのでテストが大変怖いですが頑張ろうと思います。
    • 試験,お疲れ様でした.基本駆け足になってしまう部分が多く,わかりにくい授業だったとは思いますが,皆さんよくついてきてくれたと思っています.持論ですが,統計の授業は3回聞くくらいじゃないとわからないです.なので,今年さっぱりわからなくても,是非繰り返し勉強し,考え方などを身につけて貰えればと思います.
この投稿にタグはありません。

2011年1月の読書メーター

1月の読書メーター
読んだ本の数:2冊
読んだページ数:470ページ

海と毒薬 (新潮文庫)海と毒薬 (新潮文庫)
第二次大戦末期の九大付属病院での生体解剖実験を基本とし,日本人の罪と罰に対する意識について追求した一冊.2人の医学生を通したそれぞれの葛藤の描写は良かった.ただ,何故「日本人」がテーマになっているのかは最後まで理解できなかった.生体解剖を実施した教授の,ドイツ人である夫人を通して,神が見ているという意識のない日本人には,罰を前提としない罪の意識がないと主張したいのであろうが,倫理観を神のみに依存してしまう考え方が,これまでどんな歴史を作ってきたのかを考えれば,見方が一方的に過ぎるような気がする.
読了日:01月27日 著者:遠藤 周作
点と線 (新潮文庫)点と線 (新潮文庫)
社会派ミステリーの嚆矢として知られる一冊.列車時刻表を利用した緻密なアリバイトリックと,それに挑む捜査陣という話そのもの,人物描写は面白いと思うが,一方で,本格的なハウダニットと考えて読んでしまうと拍子抜けするだろう.現代的な感覚で言えば,最初に考えて当然という部分があり,だからこそ,却ってまさかこんな単純なトリックの訳ないだろうと思って読んでいたら,そのまさかだったという感じだ.ただ,アリバイの,ジグソーパズルのような整然さはある種美しさすらあり,その緻密な組み立ては素晴らしい.
読了日:01月25日 著者:松本 清張

読書メーター

この投稿にタグはありません。