Archive for 3月, 2012

2012年2月の読書メーター

2月の読書メーター
読んだ本の数:7冊
読んだページ数:2480ページ
ナイス数:9ナイス

道誉なり〈下〉 (中公文庫)道誉なり〈下〉 (中公文庫)
足利家内部での争いが激化した下巻,高師直の最期,尊氏と直義の最後の会話など,クライマックスとなるべきシーンに道誉が関わることはなく,主人公の座は完全に尊氏に移っていてる.悪党の裔と比較すると,より後の時代,近い立場で尊氏が描写されており,併せて読むことで北方流の尊氏像が出来上がるのだろう.ストレートに尊氏を主人公にしてしまうことで,そのある種破綻した人格が物語としての筋の通らなさを産みかねないということなのだろうか.「佐々木道誉の物語」とするには,時代小説の体裁をとっては難しいのかなと思う.
読了日:02月29日 著者:北方 謙三
道誉なり〈上〉 (中公文庫)道誉なり〈上〉 (中公文庫)
「悪党の裔」の赤松円心に続いて足利方の武将,佐々木道誉を主人公とした南北朝もの.道誉と言えばかつての大河ドラマ「太平記」で,陣内孝則が派手な着物で演じていたのが印象的だった.北方太平記をある程度通して読んでいれば話にはついていけるが,そうではないと置いてけぼりになるかも.思うがまま,強かに生きる道誉は登場人物としての魅力は十分であるが,物語として見た場合,南北朝時代の取り上げられ方の少なさも相まって,主役に置くにはマニアックな人選かも.結果的に,興味の対象も道誉の目を通した尊氏になっている気がする.
読了日:02月28日 著者:北方 謙三
悪党の裔〈下〉 (中公文庫)悪党の裔〈下〉 (中公文庫)
上巻と比べるといまいちすっきりしない気がするのは,一つには円心が何故足利方なのか,がはっきりしていない点か.あとは,全体的に少々地味かも.赤松円心の燃え尽きない,死を求めない悪党という立ち位置は興味深いが,それ以上に足利尊氏と楠木正成,それに加えて護良親王との交流のあり方が興味深かった.この物語のメインテーマは,ある意味において尊氏と正成であり,その生き様を表現する手段として使われたのが,円心なのかもしれない.後年に,度々描かれている楠木正成に敢えて挑んだのも,北方謙三の興味がそこにあったからなのだろう.
読了日:02月15日 著者:北方 謙三
悪党の裔〈上〉 (中公文庫)悪党の裔〈上〉 (中公文庫)
北方太平記シリーズ,この作品の主人公は赤松円心.北方謙三の作品にはアウトローがよく似合う.ということで,登場人物が実に活き活きしていてよい.歴史として見れば,赤松円心は飽くまでも脇役であり,だからこそ,物語そのもの以上に,描かれる人の魅力が際立つのかなと思う.
読了日:02月13日 著者:北方 謙三
破軍の星 (集英社文庫)破軍の星 (集英社文庫)
神皇正統記で知られる北畠親房の子,北畠顕家が主人公.武王の門と同様で,奇を衒ったところがないこれぞ北方流ハードボイルド歴史小説といった感じ.と言うか,登場人物を変えただけで,実質的には武王の門と同じと言えなくもない.登場人物をかなり絞り込んで,視点があまり行ったり来たりしない分他の作品より読み易いかも.それにしても,北畠顕家や菊池武光,それに中国ものでは楊家将など,北方謙三の目の付け所は素晴らしい.
読了日:02月08日 著者:北方 謙三
よい匂いのする一夜 (講談社文庫)よい匂いのする一夜 (講談社文庫)
宿をテーマにした旅行エッセイといったところか.他のエッセイに比べると,昔は良かった的な匂いが少々強いのが気になるが,慌てて観光地を廻るのではなく,ゆっくりと腰を据えた旅をしてみたいと思わせるのは流石.
読了日:02月03日 著者:池波 正太郎
陽炎の旗 (新潮文庫)陽炎の旗 (新潮文庫)
「武王の門」続編.あの話の後にどんな続きを?と思って読んでみたが,良くも悪くも予想外だった.英雄の血を引く架空の人物を通して,その血から解き放たれて自分の人生を生きるその過程を描いたということなのだろうが,架空の人物ということもあってか,また,最後の方に至るまで,延々と地味な暗闘が繰り広げられたせいか,どうにものめり込みづらい印象.そういう物語にあって,数少ない武士らしい武士であった今川仲秋は中々魅力的に描かれていて,そこは良かった.前作における今川了俊も,これくらい描写してくれればよかったのにと思う.
読了日:02月02日 著者:北方 謙三

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