Archive for 4月, 2012

2012年3月の読書メーター

3月の読書メーター
読んだ本の数:8冊
読んだページ数:2621ページ
ナイス数:23ナイス

ぼくの大好きな青髭 (中公文庫)ぼくの大好きな青髭 (中公文庫)
「これまでわれわれが発見した極め付きの自己批判はなんだと思いますか?ただ理解するだけで自己完結してしまうチャチなコマネズミ,というんです.」四部作完結編.今作は,新宿を舞台に夢を追う人,夢を追って不幸になる人を救済しようとする人,それらを観察する人……と,複雑に絡み合いながらも,若者が夢を持つことを問い続けた濃密な青春小説.冒険小説のようであり,酷くもの悲しくもあり,「青髭」はどこか幻想的で,最初から最後まで読み応え十分.一作目から振り返ってみると,徐々に広い世界へと踏み出していった薫君がよくわかる.
読了日:03月17日 著者:庄司 薫
さよなら快傑黒頭巾 (中公文庫)さよなら快傑黒頭巾 (中公文庫)
これまでの作品とはうって変わって,あまり青春小説という感じがしなかった.勿論薫君達は相変わらず悩み,遊び,恋してとセーシュンしてる訳なんだけど,きっと,敗北がテーマになっているからなのだろう.黒頭巾になんてなれないって,子供のうちに理解出来てしまうことなんだけど,能力があると,却って何にだってなれる訳ではない知ることが出来るのが遅くて,そしてそれは,遅ければ遅い程,夢破れたことによって負う傷も深い.そういうありきたりな感想しか言えないのだけど,そのありきたりを納得させる描写のリアリティは強烈.
読了日:03月14日 著者:庄司 薫
白鳥の歌なんか聞こえない (中公文庫)白鳥の歌なんか聞こえない (中公文庫)
「赤頭巾ちゃん気をつけて」に始まる四部作二作目.ある老人の死に向かう過程と,それをきっかけとした幼馴染みとの恋愛という,テーマとしては非常にシンプルなものであり,途中まではちょっと気恥ずかしい感じだなと思いながら読んでいたのだが,若者の若者らしい葛藤が生々しく捉えられた文句なしの傑作だった.ただ,こんなにも誠実に愛とか死とかに向かい合う薫君,駆け落ちに失敗した小林,飽くまでも飄々とした立ち位置を貫く横田と,今の私には皆少々眩しすぎる.20年前,遅くとも15年前には読んでおくべき作品だった.
読了日:03月10日 著者:庄司 薫
楠木正成〈下〉 (中公文庫)楠木正成〈下〉 (中公文庫)
湊川も桜井の別れもない楠木正成.と言うか,楠木正行ら正成の息子たちは,誕生して以来登場すらしていない.それでも納得してしまうのは,一つにはこれまでの作品によって,湊川が正成にとって死ぬための戦いとして扱われていたことであり,もう一つには,倒幕までが正成の輝いていた場面と作者が認識していたという点であり,更には,従来の正成のイメージを作ったエピソードであり,敢えて描くのを避けた面もあるだろう.北方太平記の集大成に相応しく,これまでの作品との関連が随所に出て面白い.個人的には,観阿弥を上手く出したと思う.
読了日:03月07日 著者:北方 謙三
楠木正成〈上〉 (中公文庫)楠木正成〈上〉 (中公文庫)
北方太平記集大成は,これまでの主人公の中で最も著名とも言える楠木正成.所謂桜井の別れの大楠公のイメージではない楠木正成像を……という訳なのだが,「悪党の裔」や「道誉なり」で散々描かれている人物であるだけに違和感はない.どうも倒幕までをメインに描いているようで,比較的倒幕後の話が多かった北方太平記にあって,描き残していた部分と言えるだろう.上巻は倒幕に立ち上がるまでに多くを費やしており,派手さはないがその分下巻に期待が持てる.
読了日:03月06日 著者:北方 謙三
波王の秋 (集英社文庫)波王の秋 (集英社文庫)
フィクション色の強い,海洋を舞台としたハードボイルド歴史小説ということで,北方太平記の中にあっては,陽炎の旗と位置付けが近いか.物語の軸を主人公・小四郎に絞り込んだ分だけ,陽炎の旗よりものめり込み易かった.また,物語の展開としても,クライマックスまで一気に雪崩れ込むテンポの良さがあった.ただ,海洋を舞台にしたことで,位置関係等がわかりづらく,若干ピンと来ない部分があったことが残念か.
読了日:03月05日 著者:北方 謙三
真夜中のパン屋さん 午前1時の恋泥棒 (ポプラ文庫)真夜中のパン屋さん 午前1時の恋泥棒 (ポプラ文庫)
1冊目のイメージで読んでみたら,予想外の展開.これは,ある意味ミステリに分類した方がいいんだろうか?名探偵斑目氏の事件簿といった感じ.前作の時点で斑目氏のウケがよかったのか,全体的に作者の斑目氏への愛情を感じる.深夜営業の意味については,相変わらずわかったようなよくわからないようなという印象だが,まだまだ続きそうな印象だし,これでいいのかな.
読了日:03月02日 著者:大沼紀子
真夜中のパン屋さん (ポプラ文庫)真夜中のパン屋さん (ポプラ文庫)
最初は女の子の箱庭って感じだなぁとか思いながら,ある種微笑ましい気分で読んでたけど,変態という名の紳士,斑目氏登場で雰囲気が一転,登場人物もいい感じに壊れて一気に面白くなった.でも,深夜営業という設定がまだ活きてない気がする.ここらへんは,何故深夜営業なのかも含めて続編に期待かな.
読了日:03月01日 著者:大沼紀子

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