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2011年7月の読書メーター

7月の読書メーター
読んだ本の数:3冊
読んだページ数:942ページ
ナイス数:5ナイス

服従の心理服従の心理
心理学を少しでも囓ったことのある人なら一度は聞いたことがあるであろう,ミルグラムの服従実験,通称アイヒマン実験をまとめた名著の2008年新訳版.その場における権威となるべき人物に命じられたなら,人は簡単に自らの思想信条を捨て,忠実なエージェントと化してしまうという結果そのものについては語り尽くされた感があるが,それだけが本書ではない.その結論に至るまでにミルグラムが積み上げた様々な条件による詳細な実験こそ本書の,著者の真骨頂ではないだろうか.新訳版訳者による本実験に対する批判も,短いながら興味深く必読.
読了日:07月28日 著者:スタンレー ミルグラム
そうだったのか! 現代史 (そうだったのか! シリーズ) (集英社文庫)そうだったのか! 現代史 (そうだったのか! シリーズ) (集英社文庫)
冷戦から湾岸戦争,ユーゴ紛争に至るまで,戦後史の入門ド真ん中という感じの一冊.著者が著者なだけに,子どもから大人まで誰でも気軽に読み進められる読みやすさ,わかりやすさが魅力か.これから現代史を学びたいという人は,この本をスタートに個々の話題を深めていけば良いだろうし,ある程度色々な本を読んでいる人にも,知識の穴埋めだったり,思想面での口直しというか,リセットというか,そういう使い方が出来るだろうという意味で,正しく入門書であり良書.
読了日:07月26日 著者:池上 彰
NFLの(非)常識―なぜフィールド上で円陣ハドルを組んだのかNFLの(非)常識―なぜフィールド上で円陣ハドルを組んだのか
長年NFLの魅力を紹介し続けた後藤完夫さんによるフットボール愛に溢れた1冊.雑誌のショートコラムをまとめたような体裁で,NFLに関する豆知識が綴られている.実際に使われたプレイコールの紹介などは中々知る機会もないもので興味深い.それ以上に凄いのが巻頭と帯の推薦文で,それぞれロジャー・グッデル(NFLコミッショナー)と鳩山由紀夫.特に鳩山さんなど,総理在任中か退任直後くらいだろう.流石ゴトサダさんといったところか.発行元がTouchdownということで,誤植やらレイアウトがおかしいやらは最早お約束.
読了日:07月09日 著者:後藤 完夫

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九州女子大「心理データ解析法I」コメントについて

今日の授業で貰ったコメントについては,来週答えることができないので,予告通りこちらで回答します.皆さん,授業期間お疲れ様でした.ここまで来ればもう一頑張りです.例題をよく見直して試験に臨んでください.

  • 難しかったけど楽しくやることができました.ありがとうございました!来年またいたらごめんなさい.
    • 来年は是非,行動科学研究法の方に来てください.クビになってなければ来年も授業やっている筈です.
  • 今日の先生は大学3年生ですって言われてもだまされる若さな感じでした!難しかったけど,頑張れば分かるものだと思いました.先生で良かった.ありがとうございました.
    • 騙しているつもりはないのですが,時々勝手に騙されてしまう人が出てしまいます.特に,皆さんの親御さんやそれ以上の世代になってしまうと,見分けがつかないみたいですね.この分野は,講義を聞くだけでは絶対にできるようにならないけど,自分で繰り返し勉強すれば,いつか必ずできるようになるものです.今後も繰り返し勉強し,自分の力としてくれれば嬉しいです.
  • 試験不安です
    • 実のところ,私も不安です.毎年,試験の答案を見るのが恐いです.試験は,皆さんの能力をテストしているのと同時に,自分の教え方を自身で評価するものでもあるので.なので,良い答案が多ければ嬉しいし,全然出来ていないと落ち込みます.
  • 先生のこと忘れません….あ,今忘れました.あなた誰?なんか顔がテカってたのは覚えてるんだけど….
    • 取り敢えず,私の顔はいいので授業の内容を是非忘れないようにしてください.
  • 今までありがとうございました.北九大にあそびにいきます 笑
    • 来て貰っても構いませんが,私,9月から来年の3月までいませんよ.研修で東京にいる予定なので.それでもいいなら,11月頭の連休が大学祭なので丁度良いかも知れません.
  • 半期ありがとうございました.理解できなさすぎて笑えました.(笑)先生とは一回ラグビーの話してみたかったです!!明大ラグビー部の応援お願いしますね☆PS.多分,テスト白紙です.ごめんなさい.
    • 授業の質問もラグビーに関する話も,どちらもWelcomeです.母校が早稲田なので,やはり第一は早稲田の応援になりますが,宿命のライバル明治は,勿論早稲田の次に応援しているチームです.個人的にも,彼は注目して応援していきたいと思います.
  • 先生ピンクがさわやかで似合ってますね.
    • ありがとうございます.春~夏はああいう淡い色使いが好きです.
  • 週末にレポートと試験勉強がんばってきます.ありがとうございました.
    • レポートはそこまで難しいことを求めませんので,試験勉強の方を重視して貰えればと思います.がんばってください.
  • テストがんばります!応援よろしくお願いします.
    • 前にも書きましたが,試験の出来不出来は,教える側にとってもテストされている気分なんです.なので,勿論心から応援しています.
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2011年6月の読書メーター

6月の読書メーター
読んだ本の数:6冊
読んだページ数:1741ページ

最悪の事故が起こるまで人は何をしていたのか最悪の事故が起こるまで人は何をしていたのか
豊富な事例をベースにした失敗学の入門書とも言える一冊.特に複雑さを増し,失敗が与える影響が大きくなった現代のシステムにおいて,どのような条件が重なったときに致命的な失敗が起こるのか,どのような対応を取ったときに危機的な状況から逃れられたのかが記されている.単独の失敗が上手くいっているシステム全体を破綻させることはまずなく,複数の失敗,極めて稀と思われている条件の重なり合いがあって初めてシステムの破綻は表面に現れるが,破綻の条件がある以上,長期的に見れば必ず起こるつもりでいるべきだということなのだろう.
読了日:06月29日 著者:ジェームズ R・チャイルズ
選手の心を動かす監督の言葉選手の心を動かす監督の言葉
小宮山悟,清宮克幸という,早稲田大学の同級生にして,世代を代表するアスリート同士の対談.ただ,対談だからこそという話はあまりなく,基本的にこれまでの著書等で読んだ話で終わってしまった感があるのが残念なところ.もっと,ざっくばらんに突っ込んだ話を聞かせて貰いたかった.
読了日:06月20日 著者:清宮 克幸,小宮山 悟
指導者の条件指導者の条件
松下幸之助自身の指導者としての心得を,主に日本,中国の故事を引用しつつ1テーマ2ページまとめたもの.「指導者の条件」と題してはいるが,指導者に限らず,一般的な人生訓として通じるものだろう.なんと言うか,短い訓示をいくつも聞かされている感じか.必ず故事を引用して説明しているのは,話のタネにもってこいだし,説得力もあるのだが,心得そのものはごく当たり前で,また,「~であらねばならない」は語られているが,「そうあるためにはどうすればいいのか」がないのが画竜点睛を欠く印象だ.そのため,なるほどなで終わってしまう.
読了日:06月20日 著者:松下 幸之助
野球と戦争 (中公新書)野球と戦争 (中公新書)
元巨人軍球団代表による戦中戦後の野球史.興味深いエピソードも多く,読み易くまとまった良書.戦前の野球がいかに異常な状態であったか,戦前~戦中の野球弾圧の一環として語られることの多い野球統制令が,実際の運用はともかく,制定時点では球界の健全化に寄与すべく定められたものだということもよくわかる.個人的に面白いなと思ったのは,甲子園も六大学も中止になった後でも,軍では野球が行われていたこと,関東大震災時の大杉栄殺害で知られる甘粕正彦が満州に球場を作って野球大会を開催していたことあたりか.
読了日:06月19日 著者:山室 寛之
虹の女神―Rainbow Song (幻冬舎文庫)虹の女神―Rainbow Song (幻冬舎文庫)
市原隼人,上野樹里主演で2006年に公開された映画の原作,約5年振りの再読.どこにでもありそうな自意識過剰な若者の話と片付けてしまえば確かに簡単だ.だが,主人公が,どこにでもいそうなつまらない人間であればある程,ある意味における共感が増すのも事実で,正しく等身大の登場人物であり,人物描写と言えるのかも知れない.また,読後感も悪くなく,2~3時間で気軽に読める中編.
読了日:06月19日 著者:桜井 亜美
季節の記憶 (中公文庫)季節の記憶 (中公文庫)
父子家庭の親子と隣人兄妹を中心とした鎌倉での日常を淡々と描写している.どういうストーリーですと説明できるほどのストーリーはない,純粋な日常描写に徹している.中高の後輩としての立場で言うならば,何というか栄光の図書館で繰り広げられてそうな会話という感じか.元々がそういう特殊なものだし,さらに言うと,はっきり言ってしまえばある種の傲慢さがあるから,受け容れられない人には全く受け容れられないんだろうなと思う.ちなみに,文庫版の解説は養老孟司だけど,この人はこの人で,鎌倉出身の栄光OB.
読了日:06月18日 著者:保坂 和志

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2011年3月の読書メーター

3月の読書メーター
読んだ本の数:5冊
読んだページ数:1252ページ

やがて今も忘れ去られる (角川文庫)やがて今も忘れ去られる (角川文庫)
この人の本は,写真詩集の方が好きだ.言葉が先なのか,写真が先なのかわからないのだけど,ぴったりマッチしているようで,微妙にずれている,その間を想像するのが何となく楽しい.「好きなものを 好きと言うたびに そこまでの距離を思い知らされるばかりで 孤独感はつのる」
読了日:03月29日 著者:銀色 夏生
金閣寺 (新潮文庫)金閣寺 (新潮文庫)
1950年の金閣放火事件を題材とした三島の代表作の一つ.やがては美そのものを憎むまでに,金閣という美に取り憑かれた青年の内面を徹底的に抉り出している.人を狂気に陥れる,と言っても,本当にそれは狂気と呼べるのか私にはわからないのだが,そんな美を描いているだけに,その文の美しさは想像を超えていた.特に,最後に闇の中金閣を見る描写の幻想的なまでの美しさは圧倒的.「金閣は無力じゃない。決して無力じゃない。しかし凡ての無力の根源なんだ」それが憎しみの源泉であり,生きるための行為であった.そういうことなのだろうか.
読了日:03月29日 著者:三島 由紀夫
世界を肯定する哲学 (ちくま新書)世界を肯定する哲学 (ちくま新書)
言葉・科学という不完全な道具で思考,表現している時点で,その不完全さが故の理解・表現不可能性が残る,それが筆者の主張する,全体を部分に分解し,集積し直すことでは全体は表現出来ないということだろうか.全体は,全体としてのみ存在する.そしてそれが,私が生まれる前から世界があり,死んだ後もあり続けることを実感するために必要になるとの議論だ.それにしても読むのに時間のかかる本だった.議論が難解ということではなく,話がどこに進もうとしているのかが見えづらく,どこに飛んでいくのかわからないという意味でだ.要再読か.
読了日:03月15日 著者:保坂 和志
蒼ざめた馬を見よ (文春文庫)蒼ざめた馬を見よ (文春文庫)
「―人間が見てはならない蒼ざめた馬を見てしまった世代なのだ。それは数限りない死の影です」直木賞を取った表題作を含めた初期短編集.流石に露文科出身と言ったところか,ロシアの描写の美しさなどは見事.ただ,この作者の特徴と言えばそれまでかも知れないが,どの話も最後が若干投げ放し感がある.特に,表題作の主人公の過去などは,伏線としてもう少し活かしても良かったように感じた.そのあたりで多少不満の残る作品も多かったが,「天使の墓場」は秀逸.社会情勢を物語の中心に据えながら,緊張感のある人間ドラマに仕上がっている.
読了日:03月07日 著者:五木 寛之
文芸的な、余りに文芸的な (1964年) (新潮文庫)文芸的な、余りに文芸的な (1964年) (新潮文庫)
谷崎潤一郎との論戦を基本としながらも,古今東西の文学・芸術に通暁した芥川らしい,インテリの薫り漂う芸術論となっている.明治,大正期の事情に精通していればより面白く読めるのであろうが,十分な知識のない私にとっても,当時の文壇の雰囲気を想像できる一冊だ.曰く「僕等の語彙はこの通り可也混乱を生じてゐる。(中略)が、誰も皆間違つてしまへば、勿論間違ひは消滅するのである。従つて、この混乱を救ふ為には、―一人残らず間違つてしまへ。」ちなみにこの本,父親の本棚からちょいと拝借したものなのだが,価格80円だそうで.
読了日:03月05日 著者:芥川 龍之介

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2011年2月の読書メーター

2月の読書メーター
読んだ本の数:4冊
読んだページ数:856ページ

こんな言葉で叱られたい (文春新書)こんな言葉で叱られたい (文春新書)
巨人軍代表清武英利氏が,球界入りして見聞きした言葉,印象的なエピソードなどをまとめたもの.プロフェッショナルの世界,頂点の世界だからこその言葉の重み,真剣さが見える.流石は元新聞記者というところか,個々のエピソードが実にコンパクトにわかりやすくまとまっていて,読みやすい.ただ,元々が雑誌等のコラムということで,仕方ないのかも知れないが,若干あっさり纏めすぎている印象がする.もう少し掘り下げて,丁寧に書いて欲しかったところだ.個人的には,原貢の「布団の中で考えるな」が印象的.
読了日:02月09日 著者:清武 英利
一生懸命―木村拓也 決してあなたを忘れない一生懸命―木村拓也 決してあなたを忘れない
元プロ野球選手で巨人軍コーチ(当時)の木村拓也氏の追悼本.由美子夫人の著書となってはいるが,関係者がそれぞれの思いを綴った本と呼ぶのが正確だ.いかにもな追悼本なので,故人に思い入れがあれば読むに値するものだし,なければ読むまでもないのだろう.私は前者だ.選手として,コーチとして,そして,一個人として,彼は地味ながらも実に魅力に溢れていて,それだけに,亡くなったという事実はショックであったし,何よりも,惜しいという気持ちが強い.ちなみに私は,彼の死にショックを受けて,健康診断等真面目に受けることにした.
読了日:02月08日 著者:木村 由美子
球界の野良犬球界の野良犬
球界屈指の問題児として知られた愛甲猛の自叙伝.特に,パ・リーグ時代のエピソード,ドーピングの話の生々しさは印象的だ.だが,スッキリと笑って済ませられるレベルで留めているので読みやすいと思う.張本勲や落合博満,金田正一評も面白い.こういう昭和な香りの漂う野球人は,もう出てこないのかもしれないなと思うと,それが正しいことの筈な反面,若干の寂しさも感じてしまう.
読了日:02月02日 著者:愛甲 猛
顔・白い闇 (角川文庫)顔・白い闇 (角川文庫)
表題作の「顔」,「白い闇」を含め,5編が収録されている短編集.いずれの作品も,犯人であったり,被害者であったり,関係者であったりの心理描写が細かく,分類としては犯罪小説なのであろうが,犯罪そのものや推理以上に,人はいかにして罪を犯すか,いかにして巻き込まれていくのかといったことが主題になっているようだ.それぞれの作品における,それぞれの形での破綻に向かっていく流れは,良質のサスペンスと言えよう.「張込み」に登場する主婦の,日常と犯罪との狭間の描写が白眉.
読了日:02月01日 著者:松本 清張

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